軽量鉄骨(けいりょうてっこつ)

軽量鉄骨(けいりょうてっこつ)

重量鉄骨 – 厚さが6mmを超える鋼材製鋼所で熱間圧延加工により製造される。主としてラーメン構造、トラス構造に用いられる。

軽量鉄骨 – 厚さが6mm以下の鋼材重量鉄骨と同様に熱間圧延加工により製造される場合もあるが、多くは鋼板を冷間圧延加工して製造される。主としてブレース構造に利用される。

長所
木材に比べ強度が高く、鉄筋コンクリートに比べ単位重量が軽いことから長い梁に利用でき、柱のスパンが広く、柱の本数も少なくてすむ。ラーメン構造の場合は耐力壁が不要なので間取りの自由度が高く、リフォームも容易である。ただし、H形鋼の柱は弱軸方向に筋違いを配置する必要がある。重量鉄骨ラーメン構造では鉄骨は工場生産され、現地では組立作業のみとなるので、建物の品質が作業員の熟練度に左右されない。トラス構造の場合、構造的な安定度が極めて高いので、体育館の屋根や鉄橋など、他の構造では不可能な長大スパンを実現できる。材質が均一である。工期が短い。変形能力が大きいため、大地震時における骨組みのエネルギー吸収能力が大きい。

短所
構造材が不燃物なので火事に強いと誤解されるが、鉄骨は摂氏550度程度で急激に強度が失われるので、消火に手間取ると一気に建物が倒壊する危険性を持っている。木造は火事に弱いと考えられているが、火で焼かれても柱の表面が炭化するのみで内部まで完全に燃えるには長時間かかるので、短時間に建物全体が崩壊するというケースは少ない。このため鋼材には耐火被覆を施すのが一般的である。材料強度は高いため、コンクリートや木質材料と比較すると断面を小さくすることが出来るが、座屈という現象が無視できなくなる。